観光立国の落とし穴

最近の円安の追い風もあり、日本では外国人観光客が目立つようになってきました。


日本政府は、前から「観光立国」という言葉をよく使っていますが、

今日は、この観光立国という言葉についてお伝えいたします。


結論を先に言ってしまうと、「観光立国は産業亡国である」

ということを覚えておいていただきたいです。


ここ数年の日本は観光立国を声高に主張してきましたが、

私は観光立国には大反対なのです。


なぜなら、だいたい観光立国に走るのは、もう産業が終わってしまった国です。


例えば、ギリシャはその良い例ですし、イギリスやフランスなど、かつては産業立国だった国も今や観光に頼るようになってきています。要するに産業国家として終わってしまったので、あとは観光客を頼りにするしかないということです。


■事例でわかる観光立国の悲劇


これはドイツとフランスを比べてみるとよくわかります。


ドイツには観光に行く人も多いし、観光地としても魅力的ではありますが、

国内には自動車や電気機械産業などがしっかり残っていて、産業大国としても立派です。


一方のフランスはというと、

自国の人口よりも1年間にフランスを訪れる観光客が多いというのがコロナ前の現実でした。

そして、そのことをフランス人は誇りにしていたわけですが、これは観光業にしか頼ることができないということにほかありません。


観光業というのは過去の栄光を見てもらうということです。


エッフェル塔が人気だといっても、エッフェル塔というのはフランスの産業力が優れていた昔の時代に建てられたものです。


イギリスにしても、産業革命が起きた国ですが、産業国家としてのイギリスはもう終わってしまい、イギリスのさまざまな古い建築物や美術館が観光地となっています。

例えば、バッキンガム宮殿の衛兵の交代などは有名ですが、これも過去の栄光の残滓にすぎません。これが観光立国の実態です。


日本がそんなものを目指してはダメなのです。



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